耳硬化症の治療ブログ

耳硬化症の診断・アブミ骨手術・手術後の状況に関する記録ブログです。

入院1日目

 9時過ぎに東京の病院に着き、入院の手続きをする。空き室がなかったため、二人部屋となるが、その差額ベット料金が約1万円と聞き、呆然とする。

 午前から午後にかけ、各種のブリーフィングが断続的に続く。時間が未定のため、病室にへばりついていなければならない。読書で時間をつぶす。

 病棟の看護婦さんに、これまでの病気の経過などを話す。

 午前中に一回採血。

 薬剤師さんから、薬について説明。今日の夜に下剤を処方。手術後は、抗生物質の点滴が30分/1回×2回/日×数日あるとのこと。また、痛み止めを処方するが、強力なので、飲み過ぎないようにとの指示を受ける。このほか、アレルギーの有無や現在使っている薬の有無などを尋ねられる。

 全身麻酔の説明を受けた際、アレルギー・喘息・タバコなどのほか、差し歯やぐらついた歯の有無を尋ねられる。これは、気管挿管の際、歯が折れたら困るという観点からの質問。

 手術室の看護婦さんから手術全般の説明。メシは今日の夜まで。それ以降は飲食禁止(嘔吐時の気管閉塞の防止のため)。明日は8時から水分補給の点滴。2階の手術室へは歩いて行く。手術室の一番奥とのこと。手術室に着いたら、心電図を取るための電極を装着。血栓防止のため足にマッサージ機をつける。手術後は、回復室にて意識の回復を待つ。等々。話の中で、耳の後ろを切開すると聞き、呆然。耳の穴からの手術ではなかったか?。後ほど、医師に確認することにする。

 夕方、医師から手術についての説明。要点は以下の通り。
・手術は耳の穴からやる。ただし、光を入れるため、耳の入り口を一部切開する。
・アブミ骨の基底部は残す。中耳を覗き、アブミ骨に触れて、アブミ骨が動くようになった場合は、アブミ骨の置換は行わず、手術完了という可能性もある。アブミ骨と置換する人工アブミ骨は、針金方式のワイヤーピストンではなく、テフロン製のもの(長:4.5mm、径:0.6mm)を使用。将来のMRI検査に対応するため。
・切除したアブミ骨は贈呈。「自分の骨を生前に贈与された人は長生きする」とのこと。
・人工アブミ骨を装着する際、リンパ液が漏れるため、手術後にめまいが生じる。めまいの期間は3〜4日程度であるが、人により差が大きい。ふらふらになる人もいるが、リンパ液が充填されれば必ず直る。このため、手術後の夜は特に安静のこと。下手に動いてリンパ液が漏れた場合は再手術とのこと。関連して、鼻を強くかんだり、力仕事をしたりなど、ふんばるような行為は禁止。
・抜糸とガーゼ抜きは1週間後。聴力の改善を実感できるのはこの時。
・手術の際、神経を一時的に脇に押しのけるため、舌の先端部分の右側(右耳を手術するため)の味覚が変わる可能性あり。
・手術以前からの耳鳴りの改善は困難。
・飛行機は3ヶ月はダメ。スキューバダイビングは一生ダメ。
・骨導聴力も落ちているのは、内耳の中にも病変が入り込む蝸牛性耳硬化症と考えられる。現在の医療技術ではどうしようもないので、そのままにして、病変が拡大しないことを期待するしかない。進行した場合、最終的には聾の可能性もある。
 聾については、残念な話ではあるが、まぁ、これは、遺伝的な問題であり、神様がそのようにプログラムしたと理解するしかないか。甘言だけでなく、このような厳しい現実・予想を直言して頂いた担当の先生には感謝したい。
 夕方、理髪屋が来て、もみあげ周辺の髪を少々切る。
 夜、家族の見舞い。近所を散策。
 そんな感じで一日が過ぎたのであるが、インターネットがまったく通じないのが痛い。当方的な感覚では、当然、全室に100MbpsのLANが引いてあるべきなのだが(他方、カード式のテレビとか、有料の共用FAXはあったりする)。あと、耳鼻科の場合、耳周辺に包帯等がなされるのみなので、特段、寝巻きを着ている必要はないのだが、どの患者さんもそろって寝巻きなのはなぜ?。